Pfeffer, J. (2003). Introduction to the classic edition. In J. Pfeffer & G. R. Salancik, The external control of organizations: A resource dependence perspective (pp.xi-xxx). Stanford, CA: Stanford University Press. ★★★ 【2015年6月30日】

 Pfeffer and Salancik (1978) The external control of organizations: A resource dependence perspective の出版から25年を経て、2003年にClassic Editionを刊行するにあたって書かれたIntroduction。1996年にSalancikが亡くなっているので、Pfefferが一人で書いている。このIntroductionでは、Pfeffer and Salancik (1978)の中心テーマとして、次の三つを挙げている。

  1. 組織の環境・社会的文脈は重要である。たとえば、雇用、取締役会の構成、提携・合併などの場面で。
  2. 環境・社会的文脈に組織が制約されていても、何か手を打つ機会はある。
  3. 組織内・組織間行動の理解に権力(power)という構成概念は重要である。

 その上でPfefferは、次のように述懐・吐露する。

  1. こうした資源依存理論のアイデア――組織は、環境に制約・影響されるが、資源依存をなんとかしようとする――は、よく引用されてきたが、それはメタファーとしてである。
  2. 資源依存理論を拡張・検証した研究は限られ、組織的意思決定の環境的制約についての実証研究は、Christensenの研究(Christensen, 1997; Christensen & Bower, 1996)くらいしかない(pp.xvi-xvii)。
  3. 資源依存理論のアイデアは、厳密な検証もなしに広く受け入れられたのであり、原著は長らく絶版で、読まれもしなかったのだろう(p.xxiii)。

 資源依存理論を使おうとする人にとっては必読文献だと思う。


《参考文献》

Christensen, C. M., & Bower, J. L. (1996). Customer power, strategic investment, and the failure of leading firms. Strategic Management Journal, 17(3), 197-218. ★★★

【解説】宋元旭, 趙智賢 (2015)「資源依存パースペクティブの自己評価―経営学輪講 Pfeffer (2003)」『赤門マネジメント・レビュー』 14(11), 629-638. ダウンロード

高橋伸夫・新宅純二郎・大川洋史 (2007)「技術的トラジェクトリの破断―経営学輪講 Christensen and Bower (1996)」 『赤門マネジメント・レビュー』6(7), 267-274. PDF

Takahashi, N., Shintaku, J., & Ohkawa, H. (2013). Is technological trajectory disruptive? Annals of Business Administrative Science, 12(1), 1-12. doi: 10.7880/abas.12.1 日本語要約・ダウンロード


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