この論文は、組織の正統性(legitimacy)に関する文献をレビューし、(A)経営学寄りの戦略的(strategic)研究と(B)いわゆる新制度学派の制度的(institutional)研究に二分されるとし、さらにそれぞれが、(a)ステークホルダーの実用的評価に基づく「実用的」(pragmatic)な正統性、(b)道徳的妥当性の規範的評価に基づく「道徳的」(moral)な正統性、(c)適切さと解釈しやすさに基づく「認知的」(cognitive)な正統性に細分化されるとしている(p.572)。しかし、こうした整理の仕方が引用されることはほぼ皆無で、もっぱら次の正統性(legitimacy)の定義だけが定番として頻繁に引用される論文。
「正統性とは、社会的に構成された規範、価値観、信念、定義のシステム内で、ある主体の行為が望ましい、正しい、あるいは適切であるという一般的な認識や仮定である。」(Suchman, 1995, p.574)
"Legitimacy is a generalized perception or assumption that the actions of an entity are desirable, proper, or appropriate within some socially constructed system of norms, values, beliefs, and definitions." (Suchman, 1995, p.574)