Ordonez, L. D., Schweitzer, M. E., Galinsky, A. D., & Bazerman, M. H. (2009). Goals gone wild: The systematic side effects of overprescribing goal setting. Academy of Management Perspectives, 23(1), 6-16. ★★★

 具体的で挑戦的な目標は「ベストを尽くせ」(do your best)という励ましよりも、はるかに業績へのモチベーションを高めると主張する研究はたくさんある。モチベーションが高まる理由は、

  1. 具体的な目標は、人々の注意を集中させる。
  2. 挑戦的な目標(ストレッチ目標 stretch goal)は、今の自分の成果(output)との間に不一致を生み、動機付ける。
そして、それがゆえに目標は暴走してしまう。にもかかわらず、目標設定(goal setting)の有益な効果ばかりが強調されすぎており、目標設定によって引き起こされるシステム的な害(systematic harm)、副作用:
  1. 目標以外の領域を無視した狭義の焦点
  2. リスク選好の歪み(危険なギャンブルを選択)
  3. 非倫理的行動・達成虚偽報告の増加
  4. 別の方法を試すこと(学習)を阻害
  5. 協力的な基盤(組織文化)を腐食
  6. 外発的動機づけが内発的動機づけを低下させる
はほとんど無視されていると主張している論文。その通り!


Readings BizSciNet

Copyright (C) 2021 Nobuo Takahashi. All rights reserved.