Langlois, R. N., & Robertson, P. L. (1992). Networks and innovation in a modular system: Lessons from the microcomputer and stereo component industries. Research Policy, 21(4), 297-313. ★☆☆ 【2012年10月10日】【2015年12月9日】

 Hi-Fiステレオ(high-fidelity and stereo system)とマイクロコンピューターの二つの事例を分析し、両事例とも、産業がモジュラー構造(modular structure)を採用し、どちらも大きな企業がリーダーシップを発揮したが、結局は分解(disintegration; 統合の逆)していったというお話。理論的に、どうしてそうなるのかはよくわからない。モジュラー構造を採用したすべての産業で同じ現象が起こるとも思えない。というか、事例は分かるが(一部違和感はあるが)、そもそも結論が何なのかよく分からない。何が言いたかったのか?

 ちなみに、Fig. 1aは1〜4の□が並んでいるが、文中では5個のコンポーネントと書いてあるので(p.299) 、間違いである。1〜5の5個の□を並べなくてはいけない。そうしないと2個足してFig. 1bの7個にならないし、Fig. 3とも整合性がなくなる。しかし、こんな簡単なミスを著者もレフェリーも編集者も気がつかないなどということがあるのだろうか? この論文を引用している人は、これを読んで理解できたのであろうか?


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