Kahn, K. B.
(1996).
Interdepartmental integration:
A definition with implications for product development performance.
Journal of Product Innovation Management, 13(2), 137-151.
★★☆ 【2013年1月30日】
共同作業(collaboration)と対話(interaction)がパフォーマンスにどう影響するのかを調べた論文。ここで、対話というのは、部門間での
- 「ミーティング(meeting)」: 会議、委員会/タスクフォース、電話会話(phone conversation)、電話メール(phone mail)、電子メールの5種類
- 「文書化された情報交換(documented information exchange)」: 書類(forms)の交換、報告(report)の交換、メモ(memorandum)の交換、FAXの交換の4種類
という活動を指している(structural natureと呼んでいる)が、それに対して、共同作業の方は、それが実際に部門間で影響しているか(affective natureと呼んでいる)ということで、
- 一団で目標を達成する
- 互いに理解している
- 非公式に一緒に働く
- アイデア、情報、資源を共有する
- 会社のについて同じビジョン共有する
- チームとして一緒に働く
を指している。いずれも、質問票では「まったくない(never)」から「とても頻繁(quite frequently)」まで5点尺度で過去3ヵ月のその頻度をきいている。
この対話と共同作業が、製品開発(product development)と製品管理(product management)のパフォーマンスを百点満点で評価してもらったものにどう影響しているのかを調べている。対象は、電子工業会(Electronic Industries Association; EIA)の会員製造会社のうち、マーケティング、製造、R&Dの3部門をもっている860社で、郵送法により、マーケティング・マネジャー177人、製造マネジャー157人、R&Dマネジャー180人の計514人から回答を得て、回収率は514÷(860×3)=20%であった。回帰分析の結果(Table 2)、共同作業は影響しているが、対話は影響しなかった。対話、共同作業の定義からすると当然といえば当然の結果だが。