戦略的提携(strategic alliances)は、この論文では「製品・技術・サービスの交換・共有・共同開発をともなう企業間の自発的な調整」(p.293)と定義されている。いまや戦略 的提携はどこにでもある現象であり、多数の研究がなされている。これまでの戦略的提携に関する研究では、企業が形成するダイアド(dyad; 二者間関係)に注目し、個々の企業は原子論的に単体として捉えられることが多かったが、この論文は、戦略的提携に関する既存の議論を社会ネットワークの観点から整理した文献サーベイ論文である。まず、
について考え、そして、アライアンスのもたらす成果として、次の二つを考察する。
この五つの論点について、この論文ではダイアドとネットワークの二つのレベルから議論を展開し、それぞれの論点について現在なされている研究の概要および今後の研究の方向性を整理している。そして、
【解説】安田雪, 高橋伸夫 (2007)「戦略提携をどう見るか:視角としての社会ネットワーク対ダイアド―経営学輪講 Gulati (1998)」『赤門マネジメント・レビュー』6(10), 485-492. PDF