Franke, N., & Shah, S. (2003). How communities support innovative activities: An exploration of assistance and sharing among end-users. Research Policy, 32(1), 157-178. ★☆☆ 【2017年5月17日】

 ドイツの大学生のグライダー(sailplaning)愛好者のコミュニティ、渓谷を登ったり下りたり滑ったり泳いだりするキャニオニング(canyoning)のコミュニティ、スノーボードクロス(boardercross)のコミュニティ、ドイツのセミプロの障碍者の自転車乗り(handicapped cycling)のコミュニティという四つのスポーツ・コミュニティでイノベーションについて質問票調査した論文。既存製品の改良や新製品のアイデアの経験があるか(Appendix A.2)を訊いたところ、32.1%の人がyesと答えたらしく、その人たちを革新者(innovator)と呼んで、コミュニティ内の支援(assistance)だとか普及(diffusion)だとかについて分析している。

 ただし、それ以上の拡大解釈は禁物である。それが本当にイノベーションと呼ぶのにふさわしいものだったのか分からないし、そもそも商業化もされないものをユーザー・イノベーションと呼んでいいのかどうかも疑問である。


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