Davis, J. P., Eisenhardt, K. M., & Bingham, C. B.
(2007).
Developing theory through simulation methods.
Academy of Management Review, 32(2), 480-499.
★☆☆ 【2015年7月7日】
いわゆるコンピュータ・シミュレーションを使った研究に関して、
- シミュレーションを使った理論開発の手順(おおげさにroadmapと表現されている)をTable 1で示し、
- (a)理論創造(theory-creating)のための方法として使う〜(b)理論検証(theory-testing)のための方法として使う の間のどこかに最良の使い方(sweet spot)があると言っている。
論文のほとんどは、1の手順の説明で、2についてはほとんど何も記述がない。どちらも目新しいことは何もなく、おそらく、方法論の論文を書くと、免罪符的に引用してくれる人が増えることを期待して(あるいはジャーナルから期待されて)書いたのだろう。この手の論文は、あえて引用すべきではないと思う。真理の探究以外に一体何がある。論文を書くために研究するなどというのは、本末転倒である。免罪符など存在しないのだ。問われているのは、常に、研究者としての姿勢であることを忘れてはならない。