Cabigiosu, A., & Camuffo, A.
(2012).
Beyond the "mirroring" hypothesis: Product modularity and interorganizational relations in the air conditioning industry. Organizational Science,
23(3), 686-703.
★☆☆ 【2011年11月2日; Cabigiosu & Camuffo (2011)を使用】
Sanchez & Mahoney (1996, p.64)は、モジュラー型の製品アーキテクチャは緩く結びついた組織(loosely coupled organization)を反映していると主張し、後に鏡映仮説(mirroring hypothesis)と呼ばれるようになった。つまり、組織がどの程度緩く結びついているのかと、その組織が作る製品のモジュラー度との間には相関があるというわけである。この論文では、イタリアのエアコンOEMメーカー3社、OEM1社、OEM2社、OEM3社の39+31+30=100のコンポーネントを調べている。各コンポーネントのモジュラー度は、Fine et al. (2005)のモジュラー度を応用したコンポーネント・モジュラー度 CM=1/(F+I) で測定している。ここで F は当該コンポーネントが担っている機能の数、I は、当該コンポーネントのクローズドなインターフェイスの数である。固く結びついている度合いは、買い手と供給業者の情報共有度(buyer-supplier information sharing)として質問票で測定している。その結果、仮説は検証されたとしている。ただし、コンポーネントのモジュラー度を変数にしたのは、分析レベルが錯綜していて、論理的に間違いであろう。もともとの鏡映仮説からしても、当該製品のコンポーネントの供給業者との結びつきの緩さ(あるいは逆に、固さ)との関係を調べるのであれば、製品のモジュラー度を変数にすべきである。
《参考文献》
Cabigiosu, A., & Camuffo, A.
(2011).
Beyond the "mirroring" hypothesis: Product modularity and interorganizational relations in the air conditioning industry.
Organizational Science, articles in advance, 1-18.
Fine, C. H., Golany, B., & Naseraldin, H.
(2005).
Modeling tradeoffs in three-dimensional concurrent engineering: A goal programming approach.
Journal of Operations Management, 23(3-4), 389-403.
Sanchez, R., & Mahoney, J. T.
(1996).
Modularity, flexibility, and knowledge management in product and organization design.
Strategic Management Journal, 17(S2), 63-76.
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