Sparrowe, R. T., Liden, R. C., Wayne, S. J., & Kraimer, M. L. (2001). Social networks and the performance of individuals and groups. Academy of Management Journal, 44(2), 316-325. ★★☆ 【2011年11月9日】

 5つの組織の38の職場集団(work group)で190人の従業員を対象にして調査した。リーダーを除いた職場の平均規模は5.0人。リーダーは、個人の役割内(in-role)、役割外(extra-role; 正式な職務記述を超えた裁量行動)のパフォーマンスに関する各6問に7点尺度で答えている。またリーダーは、集団のパフォーマンスについての7つの質問にも7点尺度で答えている。その結果、

  1. 各従業員には、「あなたは仕事関連のことで[氏名]に助けや助言を求めますか?」「あなたは[氏名]に仕事関係の打ち明け話をしますか?」の二つの質問を7点尺度で聞いて、[氏名]ごとに点数を集計した。これを助言ネットワーク(advice network)における[氏名]の中心性と定義すると、これはリーダーが評価した[氏名]個人の役割内、役割外のパフォーマンスと有意な正の相関があった。
  2. 各従業員に「[氏名]はあなたがあなたの職務の責任を果たすことを困難にしていますか?」という質問で7点尺度で答えてもらった点数は、妨害ネットワーク(hindrance network)における[氏名]の中心性と定義され、これはリーダーが評価した[氏名]個人の役割内、役割外のパフォーマンスと有意な負の相関があった。
  3. 2値データに直して計算したネットワークの密度については、妨害ネットワークの密度が職場のパフォーマンスと有意な負の相関があった。
実にシンプルな調査データ分析。


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