Lovelock, C. H. (1983). Classifying services to gain strategic marketing insights. Journal of Marketing, 47(3), 9-20. ★★★ 【2012年10月24日】

 次の五つの質問に答えて、サービスの分類を行うことで、産業の境界を越えて同じ特性のサービスから新しいアイデアを得られると主張する論文。

  1. サービス行為(service act)の性質は何か?
  2. サービス組織は顧客との間でどんなタイプの関係を持っているか?
  3. カスタマイゼーションの余地、判断の余地がどのくらいのあるのか?
  4. サービスの需要と供給の性質は何か?
  5. サービスの提供方法(method of service delivery)は何か?

 各質問にはそれぞれ二つの次元があり、各質問に対応する2次元の分類表(Figures 1-5)が用意されている。

 著者は気が付いていないようだが、この5枚の2次元の分類表の面白いところは、新種のサービスを作り出せることにある。すなわち、現実に存在しているサービスは、5枚の分類表で同定することができるのだが、そのどれか一つの変数(各分類表の一つの次元のこと)を変えてやると、新種のサービスが生まれるのである。まるで遺伝子を組み替えてやるがごとくに。そのサービスが現実に成立しうるのか? あるいは生き残れるのか? それはわからない。しかし、アイデアとしては十分に使える。


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