Granovetter, M. S. (1973). The strength of weak ties. American Journal of Sociology, 78(6), 1360-1380. ★★★

 この論文は、「弱い紐帯の強さ」というパラドクスを含んだ題名の面白さとともに、様々な議論を巻き起こした著名な論文である。ネットワークの中で、2 点間を結ぶ唯一のパスとなる線をブリッジ(bridge)という。この論文は、このブリッジの紐帯としての強さを考察することに向けられる。ブリッジは強い紐帯であるとイメージしがちであるが、この論文の結論は、ブリッジは弱い紐帯であるというものであった。

 ただし、「ブリッジならば弱い紐帯である」と結論するまでのこの論文の議論は、二つの論理的飛躍を行なうことで構成されており、論証されたとは言い難い。しかも、そのための傍証として並べられていると思われる調査や研究が、ブリッジの特定に成功しているようには見えない。あたかも「弱い紐帯ならばブリッジである」(弱い紐帯⇒ブリッジ)といった印象の整理が繰り返されているだけなのである。詳しくは高橋, 稲水(2007)で解説されているが、有名な論文だからといって、この論文の主張を無批判に受け売りすることは要注意である。


《参考文献》

【解説】高橋伸夫・稲水伸行 (2007)「ブリッジは弱い紐帯か?―経営学輪講 Granovetter (1973)」『赤門マネジメント・レビュー』6(7), 281-286. PDF


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